
BUSINESS

石油事業
石油事業は、会員漁協と漁業者に船舶等の燃料油を安定的に供給することを目的に事業を展開しており、県下9ヶ所に供給拠点(油槽所・船舶給油所)を備えると伴に、供給網の拡充を図るべく代理店方式を導入して漁業者の営漁を支えています。
更に、県下4ヶ所にガソリンスタンドを設置する等、漁業用燃料だけでなく一般顧客及び需要家への供給にも取り組んでおります。
脱炭素化社会への潮流の中、エネルギー供給の側面から今後も漁業者のニーズに応えられる事業を目指します。

石油部 外観

会議室/事務所
会員漁協と連携し、組合員である漁業者が漁業を営むために欠かせない燃料を安定供給し、漁業者が安心して出漁できる環境確保に努めています。

船舶給油所での漁船への燃料供給

ローリーによるタンクへの燃料供給

配給船による船舶への燃料供給
ガソリン・軽油・灯油などの燃料油の販売から、カー用品・洗車等の商品を取扱い、お客様に「安全・安心・快適」なカーライフを提供し、地域社会を支えています。

給油

洗車

タイヤ交換

資材事業
資材事業は、会員漁協と漁業者に漁網やロープ、のり養殖およびかき養殖用の資材などを安定供給することを目的に事業を展開しており、県下3ヶ所に配送基地を備え、漁業者の営漁を支えています。2023年度の取扱高は2,550百万円となりました。
2018年2月から国土交通省の関係法令が改正され、すべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用が義務化されました。それを見据え、2017年には操業中の漁業者の作業性と海中転落時の浮力を確保した「救命合羽」を指導部とともに開発し、桜マーク(国土交通省による型式承認試験及び検定への合格の印)も取得して、海難事故防止に向けた普及活動を展開しています。
今後も系統事業の利用推進に積極的に取り組み、漁業者の営漁を支えてまいります。




のり海藻事業
のり海藻事業は、組合員が生産した乾のりを検査して等級を付ける検査業務、検査した乾のりを商社へ受託販売(共販)する共販業務および、
のり研究所と連携して糸状体および種網の斡旋を行う業務を展開しています。
兵庫県における海苔養殖漁業の始まりは、西播磨地区(姫路市・赤穂市・御津町(現たつの市))の河口域で行われていた「支柱式養殖」でしたが、1960年頃に本県の海苔養殖業者が「浮流し式」の養殖技術を開発し、瀬戸内側に海苔養殖漁業が急速に普及しました。
1973年に大型の倉庫を併設した「のり流通センター」を播磨町に建設、1985年には海苔入札会を行う「見付場」を新設して、
漁業者が生産した乾海苔を漁協を通じて一元集荷し、海苔商社を集めて入札会を開催する共販体制を確立しました。
共販取扱高は、1975年は100億円前後で1979年に一気に200億円を突破、その後、概ね150億円規模で推移していました。
2022年より海苔の価格上昇により再び200億円を超えて推移しています。
海苔の需要拡大を目的に、2008年10月に子会社を設立し、当会の海苔入札会の入札権を取得して、子会社を通じた海苔製品の販売拡大に努めました。
さらに、2014年1月には海苔の加工業者を子会社化し、本格的な海苔加工品の生産を開始して、ヨーロッパ等への輸出も始まりました。


のり研究事業
のり研究事業は、漁場環境調査や優良品種及び養殖技術開発等の試験研究と生産指導を目的とした事業を展開しています。
県の水産技術センターと連携して高水温耐性や高伸長性のノリ品種の開発や、のり生産者への糸状体・採苗網の供給を行っています。
また、のり養殖に欠かせない漁場の海水温や栄養塩情報を調査し、それらの情報をのり生産者へ提供しています。


のり種付作業
漁場環境を把握する為、毎年10月頃から翌年4月頃にかけて各海域の海水温や、窒素・リンといった栄養塩濃度、
栄養塩を消費する珪藻類を計測し、漁場環境情報やノリ養殖環境速報を発信しています。




兵庫のり研究所は、1986年3月に兵庫県の海苔養殖の発展を図るため、明石市二見町に設置されました。
設置後は漁場環境調査やノリ芽病害調査及び新品種の野外試験等を実施し、海苔生産者にタイムリーな情報を提供するとともに、現場指導の充実に努めてきました。

兵庫のり研究所 事務所

流通加工事業
流通加工事業は、浜値の維持安定を目的とした事業の展開を行っています。
本会は魚市場を有していませんが、1977年より県内で漁獲される多獲性魚種を中心に、鮮魚・塩干品・餌料(加工用イカナゴ)の取扱を開始しました。
その後、試験的な取り組みとして地元の生協や農協への鮮魚宅配や店舗への鮮魚供給などを行い、徐々に販売体制を確立していきました。
特に1985年頃からイカナゴのくぎ煮づくりが阪神、明石地域の主婦層に盛んになりつつあったことから、
飼料用・加工用以外に家庭用くぎ煮材料の鮮魚流通を手掛け、現在でも直販事業の大きな柱となっています。
1991年頃から「多獲性魚種の加工」を求める浜の声が高まり、翌年にのり流通センター内の倉庫を改装して、マダコ、タチウオの切身加工が始まりました。
1994年には播磨町漁協の施設を借り受けて設備の充実を図り「塩もみダコの真空パック」、翌年には「明石ダコの花しゃぶ」、「イカナゴのくぎ煮」、
「明石ダコのから揚げ」を開発、1998年には「明石ダコのやわらか煮」を発売、この年の加工品販売高は4億円を超えました。
播磨町の加工場が手狭になってきたことや、安心・安全な食品を求める消費者の声が高まっていたこと等から、
新しい加工場建設に向けた検討が開始され、2001年3月に姫路市妻鹿漁港に、
マイナス196℃の窒素凍結設備を備えHACCPに準じる衛生対応型の「水産加工センター」を設置しました。
水産加工センターは、浜値の維持安定を目指して取り組んできたマダコやイカナゴの加工事業を本格化し、
これまで取り組めなかったカキ、マダイ、クロダイ、ワカメ、ハタハタ、ホタルイカ等の多獲性魚種も幅広く加工できるようにしています。
2020年9月期には、加工品販売高は11億6千万円を超えました。
近年は、原料の水揚げが非常に不安定なこともあり、毎年商品の規格を変えながら商品を製造している状況です。
しかしながら、原料が少なくなったことで主要魚種以外にもこれまで取り組めていなかった「カキ、マダイ、クロダイ、スズキ、ヒイカ、ワカメ、ハタハタ、ホタルイカ」等、県内で水揚げされる魚種を幅広く加工するようになり、商品ラインナップの増加、加工技術の向上に繋がっております。

明石ダコの花しゃぶ

イカナゴのくぎ煮

明石ダコのから揚げ

明石ダコのやわらか煮

水産加工センター 外観

水産加工センター パンフレット (1.5MB)

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当会では、のり共販事業の関連業務として「兵庫のり」の消費宣伝活動の為に、PR用の試食製品等の加工を小規模に行ってきました。
その後、海苔共販価格の向上と販路拡大を目的に、2008年10月に100%子会社を設立して海苔入札会の入札権を獲得、
2014年1月には海苔の加工・販売を手掛ける会社を子会社化して、ヨーロッパ等への輸出も行っていましたが、
子会社の工場が老朽化したことなどから、
2018年1月、当会が新たに「のり加工センター」を設置し、衛生面に配慮した最新の工場で安心・安全な「兵庫のり」製品を製造し、子会社を通じて販売しています。

のり加工センター 外観

のり加工センター パンフレット (2.0MB)

直販事業
直販事業は、町角から「魚屋さん」が消えていく中で、魚食文化を伝承し、前浜の魚の販路を確保する事を目的とした事業を展開しており、
現在は移動販売車及び常設店舗での鮮魚・水産加工物の販売を行っています。
通常、魚の移動販売は、得意先のニーズだけではなく相手の家族構成や慶弔ごとまでを知り尽くして「お客様の食卓」を演出しますが、
本会にはそのような得意先がなかった為、県や農協、系統団体の力を借りて大型団地や道の駅での販売や、
系統職員向けの販売など様々な事にチャレンジし、数年の間試行錯誤を重ね、2008年にようやく直販事業の黒字化を達成しました。
2012年2月には兵庫県とイオンが地産地消の拡大と食育活動の普及で協力することを目的に「連携と協力に関する協定」を締結した為、
これに協力して直販事業で培った鮮魚仕入のノウハウを活かし、イオンの店頭で「地魚」の販売を開始しました。
2013年7月には地元コープこうべと協力し、コープの店舗でも実演販売を開始、
現在ではSEAT-CLUBの活動とも相まって、イオン・コープ等への「地魚販売」が直販事業の中心となっています。

漁連の魚屋 加古川店は本会が運営する鮮魚店として、2021年10月にアリオ加古川 グリーンマート内にオープンしました。
店舗は青・白・黄の3色で統一、「豊かな海」の色「紺碧の青」を表現した壁の色で来店されるお客様をお迎えし、魚を買えるだけでなく、
ひょうごの魚をあしらった壁面アート・動画を楽しみながら地場の魚や漁業に親しんで頂ける空間を提供いたします。
店内では、コンテナケースで新鮮な魚介類を販売する他、お寿司、お惣菜、本会冷凍品、魚に合う調味料に加え、
量販店との差別化を図るために全国のJFグループで製造している各種商品を取扱い、安心安全で美味しい水産加工品を販売します。

照明のイカ釣りランプ

紺碧の青をイメージした壁画
















山陽電鉄「別府」駅から南へ徒歩 約5分
国道250号線 壱丁田交差点から 約5分
国道2号線 新在家交差点から 約10分
2016年3月に移動販売(カンカン隊)の出店先であったJA兵庫六甲のパスカルさんだ一番館の店内に、
JAの要請を受けて常設のアンテナショップ「漁連の魚屋 パスカル三田店」をオープンしました。
パスカル三田店ではお客様からのリクエストに応じ、鮮魚の下処理を行っており、切り身・刺身・寿司・惣菜等の販売にも力を入れています。
また、兵庫県で水揚げされる旬の魚の試食・販促イベントや季節感のある売場作りを通して、
来店したお客様に信用され、喜んでもらい、魚を好きになるきっかけとなる店作りを継続しています。

店内外観
神戸電鉄・JR「三田」駅から徒歩 約20分
神姫バス「福祉保健センター」から徒歩 約3分
中国自動車道 神戸三田ICから 約10分
国道176号線 川除西交差点から 約2分

指導事業
指導事業は、豊かな漁場の再生や漁政活動、組合監査・指導といった事業を行う指導担当と、魚食普及・食育活動の推進、料理教室の開催、
水産加工品のネット販売等を展開する広報担当による事業展開を行っています。
1976年の旧県漁連、内海漁連並びに但馬漁連の3漁連合併を契機に、事業体制の充実を図るため、指導課・漁政課の一部二課制でスタートしましたが、
会員JFへのより密着した指導事業を行うため、既設の但馬支所に加え1984年に淡路支所、1985年には播磨支所を開設し、
本所体制を一部一課制に改め、支所との連携体制を整備しました。
その後、JF合併の推進、県1JF合併構想実現に向けた取り組み、魚食普及活動の展開など、その時々の時代の要請に応じて、
指導事業担当部署の再編が行われ、現在、指導部内には魚食普及活動や“ひょうごの魚”の情報発信を行う「SEAT-CLUB」事務局を主に担当する広報担当と、
これ以外の指導業務を担当する指導担当との一部二担当制で事業を推進しています。
なお、播磨支所と淡路支所の指導課は2000年に閉鎖し、その機能は本所指導担当部署へ集約されました。
指導事業の推進に際しては、浜の巡回を強化するとともにJF組合長会議、JF参事・事務局長会議等を通じて、事業運営に係る意見交換を行い、
浜との一体感の醸成を図ることを基本としています。なお、具体的な事業内容は次のとおりです。
永年の要請活動の末、2015年10月に改正された瀬戸内海環境保全特別措置法に基づいて、瀬戸内海を美しく豊かな海として再生していくための取り組みの推進を図るため、「瀬戸内海関係漁連・漁協連絡会議」を開催するほか、「兵庫県豊かな海創生支援協議会」の事務局を務め、海底耕耘、ため池のかいぼり、海域の浮遊・堆積ゴミの除去及び二枚貝の放流など、水産業・漁村の持つ多面的機能の発揮に資する取り組みを行う漁業者グループの活動を支援しています。
また、“豊かな森が豊かな海を育てます”をキャッチフレーズに、豊かで活力ある森をつくるため、コープこうべと連携して漁業者の森づくり活動を実施しています。
さらに、豊かな海の実現を目指して下水道や環境関連施策等に関する要望活動を行っています。
兵庫の魚の味わい方をPRするため、旬の魚や県内で水揚げされる魚を使った料理教室を開催するほか、県下小中学校等を対象としたお魚講習会の開催、コープこうべ組合員親子を対象とした「コープマリンスクール」の開催、コープこうべと連携した「ひょうご地魚推進プロジェクト」の推進、地域水産物のインターネット販売並びに「タコツボオーナー制度」の実施などに取り組んでいます。
国民への水産物の安定供給と持続的な漁業生産を確保するため、計画的に漁業者が取り組む資源管理活動を支援しています。
浜の声を国や県の施策に反映させるため、地元選出国会議員や県会議員等に対して、その時々の懸案課題に係る要請活動を実施しています。また、県内JF組合長を対象とした兵庫県漁協組合長懇談会を開催し、漁業が直面する喫緊の課題について研究・討議を行っています。
国の事業を活用して新たな漁業就業者の育成確保に努めるほか、漁業従事者に必要な資格・免許の取得や更新指導、漁業操業安全と海難事故防止を図るための取り組み、農協や生協、森林組合と連携した協同組合活動の取り組みなどを実施しています。
会員であるJF組合員の漁業生産活動への支援等、JFが本来果たすべき機能が発揮できるようJF合併や経営改善計画の策定に係る指導・助言を行っています。
会員であるJFの健全な経営体制を確保するため、JF全国監査機構が主体となって実施するJF監査に協力するとともに、これの事後指導行っています。
漁業所得の10%向上を実現し、漁村地域の活性化を図るため、各JFを単位とする兵庫県地域水産業再生委員会の各部会が策定した「浜の活力再生プラン」の実践に係る支援を行うことに加え、「浜の活力再生プラン」の実効性を高め、地域全体の競争力を強化するため、「浜の活力再生広域プラン」の策定支援を行うとともに、実証調査の実施に係る支援を行っています。
2009年に兵庫県水産会館が竣工するのに合わせて発足された「ひょうごのお魚ファンクラブ」SEAT-CLUBは「海の“SEA”」+「食べるの“EAT”」=「おいしい魚を食べる席“SEAT”をご用意します」との思いを込めて名付けられました。
昔はどこの町にも商店街に魚屋さんがあり、ただ魚を販売するだけでなく、旬の魚の食べ方についてアドバイザー的な役割を果たしていました。
しかし近年では、魚は量販店やスーパーなどで、切り身をパックし冷蔵ショーケースで販売されるスタイルが主流となり、町の魚屋さんは次々と姿を消していきました。SEAT-CLUBは魚屋さんが姿を消していく中で、生産地から消費者に対して積極的な情報発信を行う為に発足し、兵庫の漁業への理解、
「兵庫のさかな」のPRと地産地消による食育の推進に向けた魚食普及活動を展開しています。
兵庫県水産会館4階にある調理実習室では、月10回程度料理教室を開催しています。
兵庫県産の旬の魚を使った料理教室では、プロの料理人による和食・イタリア料理・フランス料理などの教室や、
漁協女性部による浜の伝統料理や生産者及び漁協職員が講師を務める旬の魚を楽しむ教室など、様々な分野で旬の地魚を楽しめる教室を開催しています。

調理実習室

料理教室の風景
食育活動として講師の登録制度を取り入れ、県内の小中学校へのお魚出前講座を年150回程開催し、
兵庫の魚と漁業への理解を深めるなど、食育活動を展開しています。

学校での食育活動(お魚出前講習)

干しだこ作り体験

無線事業
無線事業は、所属漁船の航行と操業の安全を目的とした無線通信業務を行っています。
定時の気象通報・航行警報等を主として、年中無休かつ24時間ワッチ体制を敷き、人命と財産の保全に努めています。

通信所

今子送信所

御崎送受信所
香住漁業無線局は、香美町の但馬水産事務所庁舎内に設置され、兵庫県の調査船、
県立香住高等学校の実習船並びに日本海一円で操業する但馬地区の漁船を対象に通信業務を行っています。
また、2005年からはインターネットを利用した入港船に関する情報提供に着手し、関係者の利便性の向上に努めています。
神戸漁業無線局は、瀬戸内側の漁協が運営する漁業無線局(海岸局)が実施出来なかった夜間ワッチ(通信業務)を行うために、1982年に旧県立水産会館内に開局しましたが、2002年からは通信業務を香住漁業無線局に委託。2009年からは但馬支所へ漁業無線室を新設して両無線局の運営管理を一元化しています。